ロータリーとは
私たちは、世界で、地域社会で、そして自分自身の中で、持続可能な良い変化を生むために、人びとが手を取り合って行動する世界を目指しています。
1905 年にシカゴで創設されたロータリーでは、110年以上、さまざまな職業をもつ人や市民のリーダーが「世界を変える行動人」となり、その経験と知識を生かして社会奉仕活動や人道的活動に取り組んできました。識字率向上、平和構築、水と衛生の改善など、幅広い分野で持続可能な影響をもたらすために、ロータリーの会員は毎日、世界のどこかで活動しています。
ロータリーの歴史
ロータリーは、一人のアメリカ人のビジョンによって始まりました。その人の名は、ポール・ハリス。シカゴで弁護士として働いていたハリスが、世界初のロータリークラブ(シカゴ・ロータリークラブ)を設立したのは、1905年2月23日。さまざまな分野の職業人が集まって知恵を寄せ合い、生涯にわたる友情を培うことのできる場をつくることが、ハリスの夢でした。
設立以来、ロータリーは徐々に人道的奉仕にも活動を広げ、今ではさまざまな職業や文化をもつロータリー会員が日々、さまざまな課題を解決するために草の根の活動や国際的な取り組みを行っています。
ロータリーのコミットメント
真に国際的な団体であるロータリーは、創設後わずか16年の間に6大陸へと広がりました。日本では1920年(大正9年)に初のロータリークラブ(東京ロータリークラブ)が設立されました。今やロータリーの会員は、世界が直面する諸問題を解決するために、地球の隅々で活動しています。
ロータリーは大きな夢を掲げ、常に高い目標を掲げています。1979年にはフィリピンで600万人の子どもにポリオの予防接種を行うプロジェクトを開始し、これが世界的なポリオ根絶活動のきっかけとなりました。野生型ポリオウイルスが常在する国は、1988年の125カ国から、現在はわずか3カ国に減っています。
ロータリーのしくみ
ロータリー会員
世界には120万人以上のロータリー会員(通称「ロータリアン」)がいます。地域社会に貢献したいという方は、ロータリークラブに入り、さまざまな職業の専門知識・スキルがある人たちのネットワークに加わることで、地域社会とそこに住む人びとの生活に大きな変化をもたらすことができます。
ロータリークラブ
変化を生み出すロータリーの土台はクラブです。220以上の国や地域に35,000以上のクラブがあり、それぞれのクラブに独自の裁量が与えられています。 クラブの活動は、会員の経験とスキルによって大きく異なります。ただし、すべてのクラブで会長、幹事、会計が任命され、クラブの運営を助ける委員会が設置されるなど、全クラブに共通することもあります。 ロータリークラブは、国際ロータリー(RI)の会員とみなされます。クラブが充実していれば、地域社会での奉仕活動やクラブ会員の経験もより一層豊かなものとなります。
クラブ例会
ロータリークラブでは、会員が定期的に集まって会合を開きます。親睦を深めると同時に、奉仕プロジェクトについて話しあいます。 また、ロータリー関連の事柄や職業・仕事についての発表や情報交換も行われます。ほとんどのクラブでは会員が顔を合わせる方法で例会を行っている一方で、主にオンラインで例会を開いているクラブや、対面式とオンライン形式の両方を採用しているクラブもあります。 ロータリーは政治や宗教にかかわりのない団体で、多様な会員が活動できるクラブ環境が奨励されています。例会はフォーマルまたはインフォーマルな形で行われ、食事、講演者、ディスカッション、グループ活動はクラブの裁量で決定できます。 例会やその他のクラブ活動に積極的に参加すれば、ロータリーでの経験はずっと深いものになるでしょう。
地区とゾーン
ロータリークラブが集まって地区が形成され、地区のリーダーである地区ガバナーが重要な役割を担います。ガバナーは、リーダーとしての器量、経験、熱意に応じて、地区内のクラブによって推薦されます。 ガバナーとなる会員には、日本国内での研修と、海外で実施される国際協議会の2つの研修が行われます。ガバナーの任期は1年間で、ガバナー補佐と地区委員会と協力して、地区内クラブを強化し、奉仕プロジェクトに対する会員の熱意を高めます。 また、ガバナーは、就任年度中に各クラブを訪問し、新クラブの設立を監督し、地区大会やその他の特別行事の計画を立てます。地区が集まるとゾーンとなり、各ゾーンで地域リーダーのチームが任命されます。 総括すると、すべてのロータリークラブは国際ロータリー(RI)に所属し、RI会長とRI理事会がリーダーシップを担います。
シニアリーダー
RI会長は1年任期で選出され、RI理事会の議長を担います。ロータリーの組織とその財団を管理するのは理事会とロータリー財団管理委員会となり、理事会は、クラブの発展を促すための方針を定めます。 理事会とそのメンバーは、毎年のRI国際大会でクラブによって選出されます。理事の任期は2年となり、各ゾーンを代表します。 管理委員会は、財団関係の業務を管理しており、RI会長によって管理委員長(4年任期)が任命されます。
ロータリーの活動分野
より平和な世界を築くために、ロータリーは大きなニーズのある分野に重点をおき、国際関係を培いながら、人々の暮らしを支援しています。
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平和の推進
紛争の予防・仲裁や難民支援に当たる人材を育て、異文化間の交流と対話を促すことで、平和な世界づくりを目指しています。
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疾病との闘い
命を脅かす病気(ポリオ、エイズ、マラリアなど)について正しい知識を伝え、発展途上国で低額または無料の医療を提供するなどして、病気の予防と治療を支援しています。
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水と衛生
「ただ井戸を掘って終わり」ではなく、きれいな水や衛生設備を活用して長期的な地域発展が実現できるよう、包括的な支援を行っています。
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母子の健康
世界では毎年、5歳未満の子ども600万人近くが、栄養失調、不健康、不衛生のために命を落としています。ロータリーは、質の高い医療によって母と子の健康を守っています。
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教育の支援
世界で読み書きのできない人(15歳以上)は、7億7500万人。ロータリーは、より良い学校をつくり、教育における性差別をなくし、成人への識字教育に力を注いでいます。
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地域経済の発展
生産的で十分な収入をもたらす雇用の機会の創出を通じて人びとの自立を促し、発展途上地域の(特に女性による)起業を応援しながら、リーダーとなる人材を育てています。
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環境の保護
ロータリー会員は、プロジェクトを立ち上げ、つながりを生かして政策や方針の変更を促し、未来を形づくる計画を立てます。環境問題においても同じアプローチで取り組んでいます。
ポリオ根絶を目指して
ロータリーは35年以上にわたり、ポリオ(小児まひ)を世界から根絶する取り組みを行っています。1979年、フィリピンで600万人の子どもを対象に実施したワクチン投与活動がきっかけとなり、世界的なポリオ根絶活動へと発展しました。今日、野生型ポリオウイルスの常在国は、アフガニスタンとパキスタンを残すのみとなっています。
ポリオを世界からなくすためにご支援をお願いします。
四つのテスト
初期のロータリー会員は、倫理と責任感をもって行動し、奉仕の機会として職業を生かすことの重要性を重視しました。
自らの職業を通じた奉仕を誇りとすることは、ロータリアンとしての理想的な姿といえます。
1932年、破産寸前だったアルミニウム会社の再建を託されたハーバート・テイラー(シカゴ・ロータリークラブ会員、1954-55年度RI会長)
は、再建の指針として「四つのテスト」を考案しました。
この4つの問いは後にロータリーでも採用され、今日、生活や仕事の場面におけるロータリアンの高潔性と高い倫理基準を要求する力強い指針となっています。
言行はこれに照らしてから
1.真実かどうか
2.みんなに公平か
3.好意と友情を深めるか
4.みんなのためになるかどうか
ロータリーの目的
ロータリー会員は創設後の10年で、後に「ロータリーの目的」として知られる基本理念を定めました。1921年には平和の進展が追加され、1989年から1995年にかけて男女差のない言語が用いられるようになりました。
ロータリーの目的は、意義ある事業の基礎として奉仕の理念を奨励し、これを育むことにあります。具体的には、次の各項を奨励することです。
多様性
国際的組織であるロータリーでは、多様性の価値が重視されており、それぞれのクラブが地域社会の職業、性別、年齢、民族の多様性を反映することに力を入れています。
多様な背景をもった会員がクラブに集まることで、地域社会の現状とその課題に対する洞察を深め、より効果的な解決策を見出すことができます。
また、多様性を受け入れ、異なる考えを尊重する文化も重要となります。政治と宗教とかかわりをもたないロータリーは、性別、人種/民族、肌の色、信仰、出身地、性的指向によって人を差別しません。
ロータリー財団
1917年、当時のロータリー会長アーチ・クランフは、「世界でよいことをする」ための基金というアイデアを発表し、この構想を土台として今日のロータリー財団が創設されました。
今日、ロータリー財団を通じて、クラブや地区によって多くの重要で持続可能な奉仕プロジェクトが実施されています。
きれいな水、医療ケア、識字教育など、人間が根本的に必要とするニーズを世界中の地域社会で満たすため、ロータリー財団はこれまでに37億ドル以上の資金を投じてきました。
ロータリー財団は、慈善団体を格付けする機関によって、最高評価を得ています。
ロータリー財団の使命は、ロータリアンが、人びとの健康状態を改善し、質の高い教育を提供し、環境保全に取り組み、貧困をなくすことを通じて、世界理解、親善、平和を構築できるよう支援することです。
非営利組織である当財団は、ロータリー会員をはじめ、より良い世界を築こうというビジョンを共有する財団支援者の方々からの自発的な寄付のみによって支えられています。
ご寄付はロータリー財団の補助金となり、助けを必要とする地域社会に持続可能な変化をもたらす活動に役立てられています。